何が「したいか」より、何が「出来るか」を考える

フリーランスで働く

フリーランスなら、どんな仕事も成立する

フリーランスとして仕事をする場合、ぶっちゃけどんなことでも仕事になります。というか、自分が何かをして、その対価をもらえたらそれは「仕事」と言っても構わないわけです。

ぼくが衝撃を受けた仕事を挙げるなら「レンタルおっさん」(または「おっさんレンタル」)。その名の通り、おっさんを貸し出すサービス。というか、国内主要7サービスもあるんかい、と改めてビックリしています。

派生ビジネスとして「レンタル二郎食べる人」というのもありました。依頼者と一緒にラーメン二郎に行って、ラーメンを食うというサービス。意外と依頼があるようで、こちらもビックリです。あと、メディアで紹介されてる件数がけっこうエグい。

「そんなもん、誰が頼むんだ?」と思う方もいるかもしれませんが(正直ぼくもちょっと思いますけど)、依頼する人がいるから成立するわけです。

レンタルおっさんの場合「特に何かしてくれなくてもいい」というニーズもあるみたいですし、レンタル二郎食べる人も「一人だと店に入りにくい」とか「ルールを教えて欲しい」といった要望もあるみたいです。

何が言いたいかというと「世の中、何だってビジネスになる可能性がある」ということです。

自分がしたいことにフォーカスし過ぎない

ただ、「自分がしたいこと」にフォーカスを当てすぎると上手くいかないケースが多々あります。

この間、16年目以上の漫才師が出場できる『THE SECOND』で見た囲碁将棋の「副業」のネタがまさにこのことを考えさせられる良い教材なので、見てない方は見てからこの先を読んでみてください(というか、単に囲碁将棋さんのネタが面白かったから見てほしい説は否めない)。

景色が良すぎることに関してはひとまずスルー

例えば。趣味が高じてラーメン屋を始めてはみたものの「納得のいくスープが取れない日は店を開けない」なんてことをしていたら客が全然来なくなっちゃった、みたいな話あるじゃないですか。

いや、良いんですよ。自分がやりたいと思うこと、「これが良い!」と思うことを突き詰めることはとても大切だと思うのですが、それだけでは上手くいかないケースもあるわけです。

何度でも言いますが、ビジネス、特にフリーランスで働く上ではどんな仕事だって成立します。ただ、それはあくまで「社会や周りの人から受け入れられれば」の話です。

社会や周りの人から受け入れられ、求められたとしたら、それがどれだけ「え?」と思うような仕事でも成立します。裏を返せば、どれだけ自分がやりたくて、価値があると思った仕事でも、ニーズがなければ成立しません。

「副業」のネタ中に出てくる「大学病院の売店」や「学校指定の制服屋」は、やってる本人は別に面白くないかもしれません。でも、ニーズがガッチリあるわけです。

大学病院に入院している人たちはちょっとコンビニで買物・・・ができないから、止むなく大学病院の売店に行くわけで、三軍のパンでも定価で売れる。あるいは学校指定の制服屋で制服を買わないと、生活指導の体育教師から目をつけられてしまうわけです。

話がそれました。

どれだけ自分が「こういうビジネスをしたい!」と思っても、それが周りから求められていなければ、成立しない。当たり前っちゃ当たり前なのですが、ぼくたちはそういう「当たり前」のことほど見失いがちだったりします。

♪何でもないようなことが〜幸せだったとおもぉう〜的なことです(多分違う)。

「やりたいこと」と「求められていること」

では、自分がやりたいことはあきらめるしかないのか。というと、そんなことはありません。むしろ、自分がやりたい仕事、何か成し遂げたいことがなければ仕事にも熱が入らないでしょう。

「お金のために仕事する」のも悪くはないですが、それではつまらないでしょうし、それなら別にお勤めでも良いかもしれない。せっかくフリーランスになったのなら自分がやりたいこと、やっていて楽しいことで収入を得られたら良いですよね。

そこでポイントになるのは、こちらの記事でも同じようなことを書きましたが「自分がやりたいこと」と「周りから求められていること」をすり合わせることです。

「レンタル二郎食べる人」の場合、「ラーメン二郎が好き・食べたい」自分がいる。そこに「二郎に行ってみたいけど、一人では行きづらい」と思っている人がいる。この双方のマッチングがあったからこそ「ラーメン二郎に一緒に行きましょう」というビジネス(と敢えて言いましょう)が誕生したのです。

自分の「二郎食べたい」という気持ちにだけフォーカスをしていたら、このビジネスは成立しません。「一人では行きづらい人がいるかもしれない」「ルールが分からなくて、行きたくても行けない人がいるかもしれない」と社会に目を向けることで、サービスとして成立するわけです(大げさ)。

「何がしたいか?」よりも「何ができるか?」

もう少し話を進めると、ぼくは「自分は何がしたいか」よりも「自分は何が出来るか」にフォーカスした方が良いんじゃないか、と思っています。

フリーランスになりたい人と話をしていると「自分が何をしたいのかがわからない」という人が結構います。もちろん、せっかくフリーランスになるのだから、自分の好きなこと、やりたいことをやりたいと思う気持ちもわかります。

でもその前に「自分に出来ること」を洗い出した方が良いのではなかろうか、とぼくは思っています。

ぼくの場合、文章を書くのが好きで、文章を書くことが苦になりません。でも、起業当初は全く別の仕事を選択していました。ぼくは元々やっていた仕事を「どうしてもやりたい」と思ったからです。

でも、結果として今は文章を書く仕事に落ち着きました。

もちろん、最初の仕事をさせてもらった経験は今も生きていますから、全くの無駄だったとは思いません。ただ、「自分がやりたいこと」にこだわりすぎると自分の本質を見失う可能性が高いのです。

自分がやりたい仕事にこだわりすぎるのは、例えて言えば、めちゃくちゃウマいチャーハンを作れる人が「オレ、イタリアンやりたいねん」とおしゃれ腰巻きエプロンを巻き、オリーブオイルを高いところから注ぎ始めるのと似ています。

ひょっとしたら、めちゃくちゃウマいチャーハンを作れる人が「オレ、俳優やりたいねん」とダブルのスーツに身を包みだすことに近いかもしれません。

「いやいや、オマエはチャーハン作れよ!」と周りの人は思いますが、本人はそのことに気付かない。これは大変もったいないとぼくは思うのです。

フリーランスとして仕事をするのは決して難しいことではありません。ただ、自分が「やりたい」と思うことではなく、周りから「必要とされること」にどれだけフォーカスできるか。ここはちょっと難しいかもしれません。

周りから必要とされていることは、恐らくあなたにとっても「得意」だったり「好き」なことの可能性が高いです。でも、自分が「やりたい」に囚われてしまうと、それが見えなくなっちゃうこともある。

では、周りから求められていることを見つけるためにはどうしたら良いか。これはもう、「人に聞く」のがテッパンだと思います。さらにはそれを素直に聞いてみること。

「オマエ、チャーハン作れよ」と言われた時に「え? チャーハンよりもイタリアンの方がカッコイイし、儲かりそうだし、モテそうやん」と思ってしまうのが人間。

人の話を素直に聞くのって、難しいんですけどね(しみじみ)。

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ちなみに、ぼくがフリーランスとして仕事をするきっかけをくれたのは、大恩人である平井ナナエさんです。そしてこの度、ナナエさんが本を出されました。

タイトルは『あなたの起業が人生と世界を変える』。

フリーランスで働きたい、起業したい! という方にはドンピシャな内容になっています。世の中によくある「起業本」とは一線を画しているかもしれませんが、読んで損はないです(断言)。

さらにさらに、自分の人生を変えたい方、自分の可能性を拓きたい方は、ぜひ講演会にもご参加ください。詳細はこちらから。

平井ナナエ講演会

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