自分自身を「愛でる」という視点

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『サウナを愛でたい』を知っていますか

『サウナを愛でたい』というテレビ番組があります。音楽家(という肩書きで合ってるのかな)のヒャダインと、プロサウナーの濡れ頭巾ちゃんの二人が出演している番組。

こう改めて書いてみると、なんとも得体の知れない番組ですねえ・・・。「そんな番組あるのかよ」というツッコミが来そうなので予め回答しておきますが、マジのマジで存在します。現在も放送中です。BS朝日ですが。

サウナを愛でたい | BS朝日
BS朝日「サウナを愛でたい」の番組サイト。本邦初、サウナに特化した新ジャンルの当番組は、サウナの魅力を発信しサウナを愛でていく番組です。

ま、簡単に言えばこの二人のサウナ好きがいろいろなサウナを巡って、あーだこーだ話すという、言ってみればそれだけの番組です。

で、この番組。面白いし、好きで見てしまうんですが、「番組最大の魅力は何か?」と言われると、答えるのが難しい。

情報源として見ているかと言われたら、確実に「ノー」です。

何しろ、日本全国のサウナ施設を巡るわけですから、自分が行く可能性が高い場所ばかり紹介されるとは限りません。

どれだけ「うわー、この施設いいな!」と思っても、当方、そのサウナ施設を目がけて旅に出るほどのサウナ好き・・・ではありません。

まあ、いつの日にか、そういうことが起こらないとも限らないわけですが・・・。それはともかく。

でも、なんか見ちゃうんですよ。これが。

じゃあ、この番組の魅力って何なんだろうな、と考えた結果・・・。二人がサウナをまさに「愛でてる」のを見ているのか、と思ったわけです。

「愛でる」とは「面白がる」こと

サウナ施設では、時々珍妙な世界が展開されていることがあります。脱衣所になぜかウミガメの剥製が飾ってあったり、入口にバカでかい信楽焼のタヌキが鎮座していたり。

ウソだと思うでしょう? どちらもマジ中のマジです。あたしゃこの目で見てますからね、どちらも(急速に浅香光代化しつつ)。

ぼくは実際には行ったことがないのですが、脱衣所から風呂の中でローマ帝国風のしつらえになっている施設というのもあるんだそうな。行ってみたいやら、ご遠慮願いたいやら。

でもそれが面白いというか、その施設の「味」になっているケースもあるわけです。

「なんじゃこりゃ」と思えばそうですが、「面白い」と思えば面白くもある。

これがまさに「愛でる」という視点じゃないかなと。「愛でる」とは、ある意味客観的に観察する目を持ちつつ、その根底に愛があること。そんな風に思うのです。

これが「愛する」だと、少し話が変わります。

ちょっと近視眼的というか、愛が先走ってしまっている。「愛は盲目」なんてことも言いますが、ある意味欠点とも言える部分すら「いや、むしろこれがいいんだ」という思いこみにもつながりかねない。

「愛でる」には「鑑賞」の味わいもある。一方で「愛する」ほど近づき過ぎず、「批評する」よりはやや能動的に面白がろうという姿勢がある。・・・ような気がする。

まあ、私の勝手な印象ですが。

自分自身を「愛でてみる」と、どうなる?

というわけで、自分が展開しているビジネスや自分の個性を「愛でてみる」のはどうか、と思うのです。

自分が生み出したビジネスはどうしても、良くも悪くも主観的に見てしまいがち。

だからこそ、欠点や足りない部分も含めて「愛でる」。

もちろん、あからさまな欠点は修正した方がいいでしょう。でも、自分ではダメだと思うことが「味」にできる、かもしれない。

自分自身のこともそうです。自分が好きな人も、嫌いな人も。一度愛でる視点を持ってみる。先ほども書いたとおり「愛でる」際には、無理に愛さなくてもいいし、批評する必要もない。愛を持って見直す。それだけでいいのです。

「あー、こういうところあるよね」
「こういうとき、慌てるよね」
「こういうこと言いがちだなー」

こういったことに気がつくと、「あ、だったらこうしよう」とか「それなら、ここはこうした方がいいよね」という発想が生まれます。

人間なんて、何から何までマルだらけでもなければ、何をとってもバツばっかり・・・というわけでもありません。マルの部分もあれば、バツの部分もある。バツっちゃバツだけど、サンカクとも言えるかな・・・というところもあれば、「一般的にはバツかもしれないけど、オレは好きだよ」ということもある。

白黒はっきりつけるのも良いことかもしれませんが、こと自分自身を「愛でてみる」と、なにか新しい発見があるのではなかろうか。そんな風に思っています。

「愛でる」って、本当にステキな言葉ですよね。

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