あなたの「文章が書けない」は本当か
「文章が書けない」「文章を書くのが苦手」という方にお会いすることがあります。
まあ、人間誰しも得意不得意、好き嫌い、長所短所、U字工事などいろいろありますから、何とも言えないところではあるのですが。
ただ、一つだけお伝えしたいことは「あなたにも文章を書く力は間違いなく備わっている」ということです。

ぼくは大のスポーツ音痴で、身体を動かすのが苦手中の苦手なのですが、さる身体のプロがこんなことを言っていると風のうわさで聞きました。
「世の中の『運動が苦手な人たち』は、『脳の回路がつながっていない』だけ」
ぼくの場合、走るにしろボールを投げるにしろ、動きがスムーズにいかなかったり、上手に力を伝えられなかったりします。要は運動音痴というやつです。それは「脳の回路がつながっていない」状態だと。
ホンマかいなと思ったのですが、置き換えてみると文章も似たようなものです。
「こんな文章が書きたい」とか「こういうふうに書きたい」があるのに書けない、苦手という場合、単純に「回路がつながっていない」可能性が極めて高いです。
「読める=書ける」の法則
唐突に「日本の教育のすごさ」について書きます。現代、日本で生まれ育った人のほとんどが文章を読み、書くことができます。
これはすごいことです。
多少は文法が間違っていたり、語彙力がなかったり、乱れがあったとしても「ある程度」の文章を誰でも書くことができます。
「いや、ぼくは本当に文章書くのが苦手で」という方であっても、メッセンジャーやLINE、はたまたメールで日常的にやり取りをしている方が多いと思います。
もちろん、まれに「こちらがLINEを送ったら、向こうから電話がかかってくる」という方もいますが、それにしてもLINEの文面は読めている。
そう。話は少しズレますが「読める」ということは、限りなく「書ける」に近いのです。
「読める」ということは「文章の構造や構成を理解できる」ということ。ですから、それを再現することはそこまで困難ではないのです。
つまり、文章が「読める」ということは、「書ける」に限りなく近いのです。
まずは「100メートル完走できる」を目指そう
もちろん、程度の差はあります。ぼくのようにしゃべるよりも文章を書いている方が気楽だし情報量を多く発信できるという人もいれば、「書くとなると、とにかくシンドイ」という方もいるでしょう。
「書ける」にも、様々なレベルがあります。
「100メートル完走できる」というのと「100メートルを5回往復できる」、「100メートルを9秒台で走れます」というのがそれぞれ違うのと似ています。
ぼくが「文章を書ける」と言ってるのは「100メートルを完走できる」ことに近いです。でも、皆さんが指す「文章を書く」とは「100メートルを9秒台で走ること」を指している場合が多くあるように感じます。
例えば「毎日SNSに投稿する」とか「毎日ブログを書く」くらいのことは、ちょっと大変かもしれませんが、まあ何とかできるようになると思います。コツさえ掴めば、SNSやブログの記事を書くのはさほど難しいことではありません。

ただ、その記事や原稿が「100万いいね超えの大バズリ記事」だとか「読んだだけで商品がバカスカ売れていく」となると、話はちょっと変わってきます。
それはまあ、そう簡単にできると思わない方がいいというか、それを以て「文章が書けるか、書けないか」を考えない方がいい。
いずれにせよ、「何を目指すか」は明確にすべきだと、ぼくは考えています。
ぼくは皆さんが100メートルを完走できるようになること、場合によっては20秒かかっていたところを15秒レベルにまで引き上げることはできると思います。
ただ、そこから9秒台に行けるかどうかは、まさに「才能」も関わってくるので、何とも言えません。ただ、ひとまず「完走できる」状態にならないと、そこからタイムを短縮していくこともできません。
むしろ、人によっては「文章書くのが苦手だから」と、スタートラインに立つこと自体を敬遠しているケースが多いように、ぼくは感じています。
文章を書けるようになるには「ゴールを決めておく」こと
では、どうしたら「文章を書く」ことができるか。言い換えれば「100メートルを完走できる」状態まで到達できるか。
最初にやっておくべきことは「ゴールを決めておく」ことです。

↑あ、そういう意味の「ゴール」ではなくてですね。言い換えるならば「結論」です。
結論が決まっていない状態で文章を書き始めると、「何を書こうとしてるんだっけ?」と迷いながら文章を書くことになります。もちろん、それでも構いませんし、それでいい文章が書けることもあります。
が、多くの場合は迷子になります。
「文章が苦手」だと思っている方は、まず「この文章の結論は何か」を明確に決めてから始めることをオススメします。
自分の文章の結論をきちんと決めておくだけでも、「何をどう書くか」「どういう順番で書くか」裏を返せば「何を書かないか」が決まります。
こうして「100メートルを完走できた」という経験を繰り返すことで、段々と「文章が書ける」ようになっていきます。
「100万いいねを超える大バズリ記事」
「読んだだけで商品がバカスカ売れていく文章」
こういったものを目指すのは、ひとまず「自分が書きたいことを、過不足なく書けるようになる」というゴールをクリアしてから考えればよいのでは、とぼくは思っています。