あなたの情報発信が誰かを救うかもしれない話

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「カキフライ」と「鯛焼き」から「当たり前」を考える

自分が「当たり前」だと思っていることほど、実はあてにならないということをご存知でしょうか。

以前、『水曜日のダウンタウン』というバラエティ番組で「『カキフライ』を注文して『柿フライ』が出てきても文句は言えない説」みたいなのを放送していて、大笑いしたのですが。

確かに「カキフライ」とだけ書いてあったら、普通は「牡蠣フライ」が出てくるもんだと思うでしょうね。でも、そこで「柿フライ」を出されたとしても、「え・・・そういうこと!?」みたいな反応になるでしょう。間違いではないですからねえ。

ひょっとすると「タイヤキ」と書いてあって注文したら、鯛の焼いたのが出てくるかもしれないし、もしくはタイ風のスキヤキが出てくるかもしれない。もうそれはどちらかと言うと「タイスキ」ですが。

とまあ、自分が「当たり前」だと思っていることは、必ずしもみんなにとって「当たり前」ではない、ということはよく起こりうるわけです。

自分の「当たり前」が喜ばれる世界

話が少し横(またはタテ)にズレますが、自分が「当たり前」だと思っていることが、決してそうではなく、しかもそれが喜ばれるというケースもあります。

例えば。焚き火をする際、いきなり大きな薪に火を点けることは非常に難しい。最初は燃えやすい杉の葉に火を点けて、次は小枝に燃え移らせていく。そうして、段々と火を大きくしていくと、大きな薪にも火が点いていく。

焚き火を良くする人やキャンパーにとっては「当たり前」かもしれませんが、ぼくは最初の頃、薪にライターで火を点けようとしていたことがあります。なんと無駄な努力。

ぼくのように、薪にライターで火を点けようとしている人に「こうするんだよ」と教えてあげるだけで、もう目からウロコどころかタイそのものが落ちる可能性すらあります。

知らない人にとっては「大きな薪にいきなり火を点けるのは無理」とか「まずは燃えやすいものから」といったことを教えてもらえるだけで、とてもありがたい。でも、知ってる人からすれば「焚き火は小さい火から徐々に大きくする」なんてことは常識中の常識で、逆に「え? そんなことも知らないの?」とビックリするわけです。

同じようなことは、様々な分野で起こり得ます。

あなたが仮に野鳥に詳しかったとしたら、どこかでバードウォッチングをした時にその知識を披露すれば、きっとみんな喜んでくれるはずです。

あるいは、あなたが旅行好きで、めちゃくちゃ旅やホテルに詳しかったとしたら、その情報はきっと、これから旅に出たい方にとって参考になるはずです。

自分の才能に気付かないのは「当たり前過ぎる」から

多くの場合「才能」や「強み」は、自分の気付かないところに眠っています。何ともややこしいことに。

自分が何の苦もなくできる、あるいは、ただただ好きで追求している、楽しいから時間を費やしてしまうこと。そこにこそ、実はあなたの「才能の種」が隠されている可能性が高いのです。

何とも皮肉なもので、当人は「頑張った」「努力した」という認識がないケースが多々あります。それでも、周りの人から見ると「いや、それってスゴイことですよ」と思われる。で、本人は「こんなの大したことじゃないと思うんだけど」なんてなことを言っている。

これこそがあなたの「強み」であり、「才能」の種である可能性が高いのです。

裏を返すと「今まで、頑張って気功を身につけてきました」とか「12星座すら覚えられないけど、西洋占星術を勉強しています」といったことは無駄とは言いませんが、あなたの「才能」とは直結していない可能性が極めて高いです。

まあ、好きでもないのに気功や西洋占星術を一生懸命学ぼう、という人がどれほどいるのかは、ちょっと不明ではあるのですが。

「好きなこと」が仕事になる時代

某国民的ネコ型ロボットが登場するマンガの主人公(?)であるメガネの彼は、特技が「あやとり」と「射撃」と「早昼寝」です(確か)。ちなみに「早昼寝」は、ぼくの特技でもあります。

正直、どれもこれも役に立たなそうというか、カネにならなそうな特技ばかりですが、今の時代だと、必ずしもそうとは限りません。

例えば、お笑い芸人のヒロシさん。彼はホストネタで一世を風靡し(セピアではなく)、時の人となりました。が、その後人気が低迷。しばらく見かけない時期が続きました。

ところが最近、またテレビやYouTubeなどでよく見かけるようになりました。

でも、今の彼はスーツに身を包んで「ヒロシです」とは言わない。代わりに何をしているかと言うと、だいたいソロキャンプです。そう。趣味で始めたソロキャンプがブームになり(あるいは、ヒロシさんがブームの火付け役になったとも言える)、ソロキャンパー代表といった感じでメディアに再登場し始めているのです。

もう少しストレートな例で言えば「さかなクン」がいます。

彼は恐らく「ターゲットがこうだから」とか「時流的にサカナが受けるだろうから」と言って「ギョギョギョ!」と言い出したわけではなく、ただただおサカナが好きで、おサカナのことに詳しくなっていった結果、「さかなクン」という唯一無二の存在になったわけです。

もし、ヒロシさんが「流行りそうだからキャンプ始めてみようかな」とか、さかなクンが「魚類に詳しいタレントの層が薄いから、イケるんじゃないか」と思っていたら、今の地位にはいない可能性が極めて高い。

別に有名人には限りません。例えば「アイスマン福留」さん。ぼくも最近まで存じ上げませんでしたが、彼はコンビニアイスが好きすぎて、年間1,000種類ものアイスを食べていると言います。で、2010年からはサイトを立ち上げ、アイス評論家として活動をしているとか。

アイスマン福留の「アイスクリームマニア」
アイスクリーム専門サイト

自分が好きなこと、詳しいことを極めて、発信することが誰かの役に立つ。特に今やインターネットやSNSが全盛の時代です。マスメディアに取り上げられれば早いですが、そうでなかったとしても、ネットやSNSで自分が好きで集めた情報を発信することで、ファンやフォロワーが集まってくれる時代です。

あなたの「当たり前」が、誰かを救う(かもしれない)

「いやいや、それってたまたまでしょ」とか「そんなのレアケースじゃん」と思われる方も多いかもしれません。ちなみに、ぼくはレアチーズケーキが好きです。でも「りくろーおじさんのチーズケーキ」はウマいですよね。

もし、あなたに「好きで好きでたまらないこと」があるとしたら、そのことについて発信してみることを、ぜひオススメしたいのです。

別に何万人ものフォロワーを集めたり、大バズリしなくても構いません。もちろん、大バズリすればそれだけ注目度も上がりますし、フォロワーも増えやすいと思います。でも、それは「目的」でもないし、「最重要事項」でも「最優先事項」でもありません。

フォロワーをたくさん増やしたり、バズらせることよりも、あなたが「面白い」とか「こんな情報あるよ」と伝えたいことを伝える。そうするだけであなたの情報に興味を持ち、価値があると思ってくれる人はちゃんと集まってくれます。

万人受けしそうな、バズりそうな発信をして顔の見えない「ただのフォロワー」を大勢集めるより、人数は少なかったとしても、あなたの発信に共感・共鳴してくれる「コアなファン」とつながる方が、実はあなたの人生にとって本当に価値がある。ぼくはそう思います。

あなたが「こんなこと当たり前じゃん」「こんなん、誰でも知ってるし」と思ったとしても、ある人にとっては「知らなかった!」「めっちゃオモロイ!」という情報である可能性もあるわけです。

また別の記事でも書くかもしれませんが「別にめちゃくちゃ詳しいわけじゃないし」とか「始めたばっかりだからなあ」と尻込みする必要もありません。「にわか」だったり「初心者」だからこそわかる「ちょっとしたこと」や「実は困りやすいポイント」というのもあるはず。「そういう情報こそ知りたい!」という人も、一定数いるのです。

何にせよ、あなたが知っていて、詳しい情報が誰かの役に立ったり、参考になったり、場合によっては誰かを救ったりする可能性だってあるのです。

あなたが知っていて「こんなこと、誰の役にも立たないよね」と思いこんでいることで、他の誰かが悩み続けている可能性だってある。それを発信することは、その一人の悩みや課題を解決するきっかけになるかもしれない、という話なのです。

そう。私のこのブログだって、ひょっとしたら誰かの何かの役に立つかもしれないわけです。「あー、バカバカしかった。明日もがんばろう」と思ったり、「こんなヒドイ文章でライターを名乗れるなら、自分も何かプロとしてやっていけるんじゃないか」と勇気になるかもしれないじゃないですか。

そんな形で役に立つのは、こちらとしては不本意ですけども。

あなたの情報を待っている人が、どこかにいる

ともかく。あなたがもし、何か大好きなことがあったり、人よりもちょっと詳しいかな?と思うことがあるとするならば、一度それを発信してみるつもりになっていただきたいのです。もちろん、発信しなくても構いません。一回やってみて「意味ないや」でも、構いません。

でも「どこかの誰かが、私の情報を待っているかもしれない」と思ったら、ちょっと発信してみようかな?という気になりませんか?

別に、一足飛びにそれを「仕事」にしましょうよ、とは言いません。趣味のブログでもいいし、YouTubeでもいいし、Instagramでもいいでしょう。Twitter(いまはXでしたっけ)でもいいと思います。まずは発信してみるつもりで考えてみてほしい。

「もし、発信するとしたら・・・」と考えてみるだけで、そこに意識が向かいます。それだけでも、新しい何かが開ける可能性は十二分にあるのです。

この話を聞いて「ひょっとしたら・・・」とちょっとでも思った方がいたら、ぜひトライしてみていただきたい。もし「どうしたら良いかわからない」という方は、ご相談にも乗ります。

あなたの知識や智恵や経験が、誰かを救うかもしれない。その可能性だけは、ぜひ自分の中で消してしまわないでいただきたいなと思うのです。

そして何より、自分が好きなものを発信することは、楽しいです。もちろん、なんやかんや言ってくる人がいるかもしれませんが、それを差っ引いても楽しい。ぜひ、発信してつながって、自分の知識や経験が誰かのためになる喜びを味わってみていただけたら、ぼくは嬉しいです。

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