ファミレスにまつわるよもやま話(あるいは長すぎる前置き)
ファミレス。
あ、ヤクルトや巨人、DeNAで活躍した野球選手ではありません。
それはアレックス・ラミレス。
ドラクエに出てくるモンスターに「ジャミラス」というのがいるらしいのですが、当然それでもないです。
ファミリーレストランですね。
この「ファミリーレストラン」の定義も難しいところですが。
例えば「ガスト」はファミレスだとして、「サイゼリヤ」は? とか。
「とんでん」とか「JOYFUL」って知ってる? とか。
「さわやか」と「びっくりドンキー」はどうなる? とか。
ええ、本題とは全く関係ない話です。
こういう、いわゆるチェーン店系のお店って「どのお店でも味が同じ」というのが特徴の一つだと思うのです。
同じファミレスに行って、東京のお店では醤油味だったものが名古屋では味噌煮込みだった、なんてことはないですし、東京ではかつおだしだったのに、香川ではいりこだし・・・ってことも基本的にはないはずです(あったら面白いけど)。
でも、同じように見えて、実は違ったりするんです。これが面白いことに。
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店によって違う「ほうれん草のソテー」
たまたま、同じファミレス(チェーン店)の同じメニューを別の店舗で食べる、という機会がありました。いえ、別にファミレスのスーパーバイザーに転職したわけでも何でもなく、たまたまです。
もちろん食材は同じ、味付けも同じ。でも、店によって色々違ったんですよね。
食べたメニューは「ほうれん草のソテー」。
A店では木のお皿に乗った鉄板にほうれん草が入り、バターが溶けかけの状態で出てきました。
B店では、同じく鉄板にほうれん草、そしてバターが溶け切った状態。
C店は器が白いお皿で、バターがA店よりもより残った状態で出てきたのです。
器も違えばバターの状態も違うわけですが、何より違ったのが「温度」でした。A店はけっこう熱々、B店はややぬるめ、C店はA店とB店の間くらいの温度で提供されたのです。
ぼくは別にファミレス専門家でもなければ、外食に一言言いたい人でもありません。強いて言うなら、「ほうれん草のソテーが大好きな人」とは言えるかもしれません。
それは置いておいて・・・。
ぼくは決して文句が言いたいわけではなく(どのほうれん草ソテーも、美味しくいただきました)、お店ごとに明確な「違い」を感じたことをお伝えしたいわけです。
「何でも美味しく食べるマン」のぼくですら違いに気付いたわけなので、比べてみれば、多くの方もその違いに気がつくはずです。
競合との競争から抜け出すために
そして、これってビジネス、特にフリーランスにおいても同じことが言えるんじゃなかろうか、と思うのです。
独自性のある商品やサービスを提供する。ビジネスにおいてはこれが一番強いです。アラレちゃん的に言うと「つおい」です。
▲鳥山明先生の最高傑作は『Dr.スランプアラレちゃん』だと思っています(異論は当然認めます)(クリックするとAmazonに飛びます)
が、皆さんお気づきの通り、「ここにしかないもの」を提供することは極めて難しい。
例えば、ラーメン屋さんは世の中にゴマンとあるし、コーチ・カウンセラーも山ほどいる。
ぼくがお仕事にしているライターだって、ぼくに似た仕事をしている人もいるし、ぼくより文章が上手な人もいるでしょう。砂の数よりいるのにね、です。
ええ、勘のいいあなたならお気づきのはずです。直前の一文は『黄砂に吹かれて』にインスパイアされて書いています。旅人。
▲『黄砂に吹かれて』といえば工藤静香。作詞は、あの中島みゆきです(クリックするとAmazonに飛びます)
それはいいとして。「全く同じ」ではなかったとしても、「似たような」とか「大きくカテゴライズすると」同じような商品・サービスは世の中におそらくあるはずです。
では、そういった「競合」がひしめく中で、どうやって自分のビジネスを伸ばしていくのか。あるいは、生き残っていくのか。
そのヒントが、先ほどのファミレスのエピソードに隠されているのです。いや、ホントは隠したつもりはないのですが。
「何をするか」より「誰がするか」
結論を言うと、「何をするか」よりも「誰がするか」を重視するということです。
「何をするか」とは、「どんな商品・サービスを提供するか」ということ。「誰がするか」とは、その商品やサービスを提供するのは誰か? ということです。
ファミレスの例では、「何=商品」はほうれん草ソテーで、同一なわけです。
でも、「誰」は、それぞれ違います。同じものでも、A店で食べたほうれん草ソテーが一番美味しくて、他はちょっと落ちる・・・てなことが実際起こるわけです。
もちろん、同じチェーン店の同じメニューですから、そこまで莫大な差があるわけではない。でも、ちょっとした違いが、差になって表れる。
ビジネスとは、そういうものなのではないか・・・と思うのです。
あなたが何か商品・サービスを提供したいと思っているとしたら、重視すべきは「何を提供するか」以上に「誰が提供するか」だと、ぼくは思います。
例えば、占い。同じ西洋占星術でも「よく当たると噂の、予約が2ヶ月先からしか取れない占い師」に見てもらうのか、「通信教育で資格を取ったばっかりの新人占い師」に見てもらうのか、どっちが良いかは一目瞭然でしょう。
でも、「何を」だけで見れば同じ「西洋占星術」です。でも、受け取る側の印象が全く違う。ビジネスにおいては、こういうことが頻繁に起こるわけです。
言い換えると、「何をするか」、「どんな商品・サービスを提供するか」は、極論を言ってしまえば「何でもいい」のかもしれません。
それよりも、自分が目の前の顧客にどんなことを提供できる自分なのかを考える。その方が、より重要なんじゃないか・・・とぼくは思うのです。
その商品・サービスを提供しているあなたは、どんな人なのか。その商品・サービスを提供している理由は何なのか。あなたから買うべき理由は一体何か・・・。
ついつい私たちは「この商品(サービス)はいいですよ、スゴイですよ」と言いたくなります。でも、その商品・サービスは「他の誰か」からも買えるかもしれない。というか、買える可能性が極めて高い。
となると、「なぜ、自分から買うといいのか」、「自分から買う理由は何か」が明示できないと、商売にならないということになります。
それがラーメン屋さんならば「こだわり」かもしれないし「味」かもしれない。
占い師ならば「めちゃくちゃ当たること」かもしれないし、「話を聞いてくれること」かもしれない。
さて。あなたから、あなたが提供しているサービスを買う理由って、何でしょうか? 一度、顧客の立場に立って考えてみることをオススメします。というか、ぼくもします。
そして、それを明確にして顧客に示す一番最初の場が「プロフィール」だとぼくは思っています。ぜひご一緒に、「あなたの商品・サービスを、あなたから買う理由」を一緒に考えてみませんか。