「火おこし」と「組織論」

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「外で食べるご飯」あるある言いたい言いたい

今から「あるある」を書きますので、ぜひ読んでいってください。

「屋外で食べるご飯のおいしさ、普段の2割増になりがち」

ありませんか? そういう経験。

別にそれほどいい景色というわけでもないんだけど、ピクニック(ハイキングでもよい)に行った先でご飯を食べると「あれ? おむすびってこんなに美味しかったっけ?」となること。

というわけで、最近我が家ではお外でご飯を食べるのが流行っています。

とは言うものの「アウトドア」というほど本格的ではなく、「キャンプ」をして外で寝たいわけではない。家の庭に七輪を出して、お肉を焼いたりして食べる機会が増えています。

まさかとは思いますが一応お伝えしておきますと、別にお家がなくなってしまって、強がりで「外でご飯食べてるだけだもん!」と言ってるわけではありません。

「屋外メシ」の魅力とは何か

ではなぜ、わざわざ外でご飯を食べるのか。

それは、一つは最初に書いた通り、外で食べるご飯はシンプルに美味しいから。

我が家は別に高台の上にあるわけでもなく、塀の向こうは片側二車線のまあまあ大きめの道路が走っているロケーションですから、決して風光明媚というわけではない。

でも、外でわーわー言いながらご飯を食べるのは楽しい。

ふと、空を見上げると星が見えたり、月が浮かんでいたり。風が吹き抜けて、何だか涼しいねと思ったり、夜になってもまだ熱気がじんわり残っていたり。

「快適」かと言われると、どうだろう? と首を傾げる部分もあります。

蚊取り線香をばんばん焚いておかないと翌日には虫刺されだらけだし、夜だからいくぶん涼しいと言っても、やっぱり暑い。ついでに言えば七輪を出したり、イスを出したりと準備も通常よりもかかる。

結論、全然「快適」とは程遠い。

でも、楽しいし、美味しいからついやってしまう。

「火をおこす」ことの楽しさ

もう一つの理由は「火をおこせるから」。もちろん、家の中でカセットコンロを出したり、ホットプレートでお肉を焼いても良いわけなのですが、炭火で焼いたお肉はまあ、格別なわけです。

「火をおこす」あるいは「火を熾す」のは、実はそれだけでも大変楽しいです。現代人は火と接する機会がほぼないじゃないですか。

ガスコンロを使うといっても、自分で火を熾すわけではない。スイッチを押せばパッと火がつくし、火力の調整も楽にできてしまう。

でも本来、火はものすごく扱いにくいものです。油断すると消えるし、逆に火力が強くなりすぎてしまうこともある。炭火であれば、火が点いてくれれば、暫くの間は火力が長持ちしますが、逆に「弱火にする」のは難しい。何かを燃やせば灰も出るし、後始末もしなくてはいけない。

そんな七面倒なことをわざわざしなくてもいいじゃないか・・・と思うかもしれません。でも、その「七面倒なこと」そのものが楽しかったりするのです。

趣味とは「めんどくせえ」を楽しめること

そもそも、趣味とは人が見たら「めんどくせえ」と思うことを楽しめることだと思うのです。

例えば、美味しいものを食べたいから一手間かける、とか。あるいは、美味しいものを食べるためにわざわざ遠くまで足を運んだり、1時間や2時間行列に並ぶという人もいる。

あるいは、プラモデルなんかもそうでしょう。わざわざパーツを買ってきて、接着剤を付けて組み立てて、場合によっては色を塗る。ぼくから見ると「めんどくせえ」ですが、好きな人は喜んでやるわけです。

我が家では「外でご飯を食べる」「火をおこす」が趣味の一つになっているとも言えるでしょう。

火をおこすのは、とても面白いです。詳しく解説をしだすと、それだけで2〜3本らくらく記事が書けてしまうのでヤメておきますが、火が燃えるためには「火種」と「空気」と「燃えるもの」が絶対に必要なわけです。

空気と燃えるものがあっても、その辺で勝手に発火して火事が起こらないのはなぜか。それは「火種」がないからです。

逆に、火種はあるのに上手に火が点いてくれないのは、空気が足りないか、燃えるものがないかのどちらかとなるわけです。

さらに、火は「下から上」へ広がっていきます。炎の様子を見ればわかりますが、上から下へ燃え広がっていくことは、まずない。なので、「燃えるもの」の上に火種をいくら載せておいても、火が大きくなることはなく、消えていってしまうわけです。

さらにさらに、「火種」を「燃えるもの」の下に置いておいても、あまりに燃えるものを多く置きすぎていると「空気」が入らなくなって、これまた火が消えてしまう。

こんなことをあーでもないこーでもないと言いながら火おこしをするのは、とても楽しいです。中には「火をおこすなんて七面倒なこと、よくやるなあ」と思う方もいるでしょう。

でもそれは「うどん食うのに1時間も並ぶなんてよくやるなあ」とか「プラモデル組み立てて、色つけるなんてよくやるね」、あるいは「あんな小さい球をひょろ長い棒でぶっ叩いて、穴に入れるなんてよくやりますね」というのと同じなわけです。

火おこしからリーダーシップを学ぶ(大げさ)

ただ、個人的には「火おこし」は、全人類にやってみて頂きたいことの一つだったりします。

少なくとも組織のリーダー、あるいは組織の中で何らかの役割を果たしたり、人を動かす立場にいる方は、ぜひやってみてごらんなさい(急な上から目線)。

先ほども書いた通り、火は「空気」と「燃えるもの」と「火種」がなければ、絶対に点きません。どれだけ火種を燃えるものに近付けたとしても、空気がなければすぐに消えてしまう。

火をつける「順番」もめちゃくちゃ大切です。火種から、いきなり太い薪に火は点きません。試しに、ライターで薪を炙ってみても、さっぱり火がつかないはずです。

でも、まずは火種から細い枝や枯れ葉に火を移して、そこから少し太めの枝や薪に引火させていく。もちろん、火種から火を移す時はていねいに、慎重にしないとすぐ消えてしまいます。ある意味では、火を「育てていく」という感覚すらあります。そして、火は下から上に燃え上がる。上から下に火が移っていくことは、まずありません。

さて。ここまで読んで、何か感じることはないでしょうか。

組織の中で「火」をおこすためには、「空気」と「燃えるもの」と「火種」が必要。言い換えれば「風通しの良さ」と「情熱を持った人」と「そこに火をつけるきっかけになる人」が欠かせないわけです。

そして、火はすぐに大きな薪には燃え移りません。小さな火種をていねいに、ていねいに育てていく。少しずつ、火を大きくしていく。早く結果を出そうと、せっせとあおいでみたり、大きな薪に火をつけようとすると、すぐに消えてしまう。組織内でも、こういうことってあるのではないかな・・・と思います。

そして、火は下から上に燃え広がっていく。上からいくら火の粉を落としたとしても、薪が焦げる事はあるかもしれませんが、火が大きく広がることはないでしょう。要は、下から徐々に広げていかないことには、大きな炎にはならないのです。

いかがでしょう。本気で「火おこし組織論」という本でも書けそうな気がしますが(笑)、まあこの辺にしておきます。ただ、もしあなたが人を動かす立場にいるのだとしたら、「火おこし」は本当に参考になることがたくさんあると思います。

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