文章を書くときは「段取り八分」

ライティング

文章力は「準備力」

「段取り八分」とか「段取り八分、仕事二分」という言葉をたまに聞くことがあります。

「事前準備をきちんとしておくことが、物事をスムーズに、上手に進めるためには大切ですよ」という意味ですね。

自慢ではないのですが、段取りの悪さには定評がある私。この言葉を聞くととても耳が痛いです。

しかし、文章を書く際も、この「段取り八分」は間違い無く当てはまります。

何の目的もゴールもなく文章を書き始める。もちろん、それで結果的に大名文が出来上がる可能性は完全には否定できません。

が、何か目的がある文章を書く場合は、何の段取りもしていないと途中に行き詰まることも多々あります。

例えば、上司に「頼まれていた仕事が締切までに間に合わなかった言い訳」をメールで書く場合。

どういう文章を書くかの段取りを入念にしておかないと、ウッカリ「こんなスケジュールであんな仕事終わる訳ないじゃないですか」とか、書いちゃうかもしれないじゃないですか(絶対アカン)。

自分がこの文章で何を書きたいか、誰に何を伝えたいかを準備しておくと立ち戻ることができます。

インタビューをする時も「段取り」が重要

インタビュー記事を書く時などはまさにそうで、想定の質問をどれだけ用意しておけるか、その質問で何を聞きたいか? を考えておくことがとても大切です。

インタビューは特に、相手の時間をもらっているわけです。1時間であれ、30分であれ、相手の大切な時間を割いてもらってインタビューをするわけで、どうでもいい話を聞いているヒマはありません。

もちろん、最初から核心をついた質問ばかりというのも困りますが、かと言って、聞きたいテーマになかなか進んでいかないのもダメです。

もっと良くないのは、インタビュアー(インタビューする側)が長々と自分の意見を述べちゃうケース。「そんなことないやろ」と思うでしょ。実はあるんです、そういうこと。

以前、ぼくが社内報の制作をしていた頃のお話をしましょう。

外部ライターとして某会社さんにお伺いして、先方の社内報担当者と一緒に開発者の方にインタビューをしたときのこと。この担当者がまーよくしゃべる。1時間しか取材時間がないのに30分くらい話し続けて、大変困ったことがありました。

相手の緊張をほぐすために、最初にアイスブレイク的にちょっと本題と関係ないお話をするのはグッドですが、それがあまりに盛り上がりすぎるのもNG。

このあたりは、今度インタビューの仕方についてまとめますので、そちらをご覧ください。

で。自分で自分の文章を書くときも同じこと。自分に対するインタビュー、ヒアリングをするような感覚で「それってどういうこと?」、「なぜそう思ったのだろう?」と自分に聞きに行ってみると、本当に自分が伝えたかった事が見えてくるはずです。

インタビューとは、「interview」。

つまり「内側を見に行くこと」ですから、自分へのインタビューを通じて、どんどん自分の言いたいこと、伝えたいことをより伝わる形で発信していかれるとよいと思います。