日本語を書く上での「が」問題
「が」。文章を書く上では非常に便利、かつ厄介な言葉。それが「が」です。
現代日本語における「が」の使い方。まずは、大きく3つくらい意識しておけば十分です。
格助詞:名詞または名詞に準じる語に付く
・動作・存在・状況の主体を表す。「山がある」「水がきれいだ」「風が吹く」
・希望・好悪・能力などの対象を示す。「水が飲みたい」「紅茶が好きだ」「中国語が話せる」
・(下の名詞を修飾し)所有・所属などの関係を示す。「われらが母校」
接続助詞:文章と文章をつなぐ役割を果たす
・ 単に前の句をあとの句へつなぐ意を表す。「すみませんが、しばらくお待ちください」
・相反する句をつなげる。けれども。「昼は暖かいが、夜はまだまだ寒い」
・(推量の助動詞に付いて)それに拘束されない意を表す。「行こうが行くまいが、君の勝手だ」
終助詞:文の終わりで、その文を完結させつつ意味を足す
・ある事柄の実現することを願う意を表す。「この風がやめばいいが」
・はっきり言うのをためらう意を表す。「こちらのほうがよろしいと思いますが」
・不審の意を表す。「おかしいな、八時に集合のはずだが」
出典:「goo辞書」デジタル大辞泉(小学館)
他にも色々と使い方はあるのですが(!)今回はこのあたりにしておきます。
「が」は日本語界の「瞬間接着剤」
で、厄介なのは接続助詞としての「が」です。例えば、この文章を読んでみてください。
例文)今日はあなたのお誕生日でしたが、プレゼントを用意できませんでしたが、代わりにお食事を作ろうと思いましたが、帰りが遅くなってしまってすみません。
いかがでしょう。アタマがぐらんぐらんする文章です。
でも、慌てて書いてしまうと、コレくらいの文章はウッカリ書いてしまいかねない・・・と思いませんか。
なぜこんなことが起こるかというと、「が」には単純に前の文章と後ろの文章をつないでしまう力があるからなんですね。
例えば「しかし」と書いたら、前の文と逆の話が後に来ないとしっくりこない。
「小次郎は待った。しかし、武蔵は時間通りにやってきた」
うん。何か違和感がどうしても残るわけです。でも、「が」は恐ろしいことに、順接でも逆接でも、ホイホイつないでしまう。
私は「が」を【日本語界の瞬間接着剤】と呼んでいるのですが、それはこういう理由からです。
とはいえ、こんなに便利な「が」を使わないで文章を使うというのも、これまた大変。なので、まずは「が」で文章をつないだ時に意識することが大切です。
「ここは『が』を使うべきか?」、「他の接続詞はないか」、「そもそも、句読点で一度区切るべきでは?」と考えてみていただきたい。
その上で「が」にご登場いただくのは、もちろんよいと思います。なので、「が」と書いた時は注意して文章を見直してみる癖をつけると良いですよ。
それと、お誕生日のプレゼントは前もって用意しておきましょう。
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