インプットなくして、アウトプットなし
私が考える、「文章が上達する最終奥義」とも言える極意をお伝えしたいと思います。
それは「他人の文章をたくさん読むこと」です。
ぼくは「文章を読まずに、自分の文章力が上がるすることなどあり得ない」と思います。
読むとは「インプットする」ということです。文章を読んで「あ、これは読みやすかったな」とか「これはなんか引っかかるな」という「読後感」を味わう。
すると、自分が文章を書く際にも「こう書けばいいのか」が見えてきます。
「いい文章、上手い文章をたくさん読め」とは言いません。下手な(というとアレですが)文章を読むことも参考になります。
「どうして、この文章はこんなに読みにくいのか」、「どうして、この文章は回りくどいのか」と、これまた検証することが大切なわけです。
ぼくは大学を卒業して2年ほど、編集プロダクションにいました。しかも「社内報」という、会社内で社員の皆さんに配る冊子を専門に作る会社という、かなり特殊な職場にいました。
社内報には、いろいろな人の文章が掲載されます。社長メッセージもあれば、編集プロダクションのライターが取材をして書いた文章もあり、企業の広報担当者が書いた文章もあり、はたまた一般社員が頼まれて、イヤイヤ書いたものもある。
そのため、実に色々な人の文章に触れる機会があったのです。
正直言って「上手な文章」ばかりではありませんでした。そりゃー、普通の企業にお勤めの方が社内報担当の方から「何か記事を書いてください」と頼まれて、渋々書いた文章も多かったでしょうからね。
でも、ヘタな文章(というのも失礼な話ですが)も読んでいると「何がダメなのか」がだんだんと分かってきます。
・言いたいことが定まっていない
・言いたいことはあるけれど、表現できていない
・カッコよく書こうとし過ぎて、支離滅裂になっている
などなど、色々なケースがあります。でも「良くない例」を見ることで
「なるほど、こうした方が良いのか」
「こうするとアカンのか」
といった具合に、自分の文章力が磨かれていく・・・ということが確実にありました。
ですから、文章力を高めたい方は、「上手い文章」でも「ヘタな文章」でも、まずは文章を読むこと。たくさん本を読む、文章を読むことをオススメします。
忙しい方なら、ブログやネット記事でも構いません。ただ「内容」に加えて「文章表現」に意識を向けて読んでみてください。
ネット記事などは専門のライターが書いている(はず)なのですが、正直言って「なんじゃこりゃ」レベルの記事がけっこうあります。そういう意味では、文章力を身につけるためには格好の資料・・・とも言えなくはないかもしれません。
こういうことを書くと、ネット記事ライターから嫌われそうですが、まあ良いでしょう。
とにかく、文章力を高めるには、たくさん読んで、さらに言うなら「たくさん書く」こと。これが一番の近道ではないか・・・と私は思っています。